歯ブラシで落とせない汚れや、細菌のかたまりを、歯科衛生士が専門的な器具を使って行うクリーニングを、ETC(エステティック(E)・トゥース(T)・クリーニング(C))といいます。むし歯、歯周病、口臭の予防をし、お口の中を清潔に保つことができます。歯石・歯垢(しこう)・着色を取り除き、歯と歯の間などを専用のブラシを使って、一本一本丁寧に磨き、歯質強化のためフッ素を塗布します。所要時間は40~50分です。個人差はありますが、3~4ヶ月ごとに行うと良いです。
むし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)はバイオフィルムという捉え方をされています。
バイオフィルムとは、細菌の集団を含む基質がある対象物の表面または境界面に付着した膜状のもののことを言います。 このバイオフィルムは口の中に限ったものではなく、私たちの身の回りにも存在しています。例えば、お風呂場や台所の排水口のヌルヌルしたものもバイオフィルムです。
口の中には400種にも及ぶ細菌が生息しています。その中にはむし歯や歯周病の原因となる菌やそうでない菌がいます。これらの多種の菌が歯の表面で寄り集まり、おたがいが協力したり牽制したりして共同体みたいなものを作っています。
この共同体の中は、細菌の住み心地がとても良く、どんどん仲間が増えていき外の環境に抵抗力を示します。また、この共同体は歯に強力に付着するために、容易に除去することができません。 歯磨きを毎日していても、磨き残しがあれば、バイオフィルムは形成されます。
だから、専門的に除去することが必要になってきます。
ただし、ETCを行ったからといってむし歯や歯周病が治るわけではありません。
ご自身が自宅で行うブラッシング(ホームケア)に加え、足りないところを ETCで補うことで、良い環境の口に保っていくことができます。